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S-NAP® PCB Suite®MEL Product

Version 5 coming soon

ついに複数基板、筐体、ケーブルなどを含めた3次元解析が可能に。

S-NAP PCB Suite®Ver.5概要

S-NAP® PCB Suite®は、3次元図形上に実装基板、筐体、ワイヤなどを組み合わせて電磁界解析を行い、各部の電気的特性解析や電圧分布を可視化できるシミュレーションソフトウエアです。

  • 電磁界ソルバは3次元モーメント法を用いています。(M-FD(平行平板モード)ソルバは削除しました)
  • 片面、両面、多層基板を実装状態で3次元的電磁界要素を考慮し高速・高精度で解析可能です。
  • 効率的に3次元解析や基板のSI,PI,ノイズ解析を行うことができます。

S-NAP PCB Suite® Ver.5

S-NAP PCB Suite® Ver.5
S-NAP PCB Suite® Ver.5
S-NAP PCB Suite® Ver.5
S-NAP PCB Suite® Ver.5

各種ノイズ解析が可能です

  • 静電ノイズ解析
  • スイッチング解析
  • 伝導ノイズ解析
  • インピーダンス解析
  • SI解析
  • 放射解析
  • 入射波解析(RFノイズ)
  • 近傍電磁界表示、遠方界表示

2.5D/3Dエディタ

2Dエディタは、ODB++ファイルからアートワーク情報を読み込み、素子情報はCSV形式の部品表から読み込み、ここで基板編集を行います。
3Dエディタは、STLファイルから筐体情報などを、ワイヤ編集ツールからワイヤ情報を、そして2Dエディタから基板情報を読み込み、ここで3次元的に図形を組み合わせます。

2Dエディタ

2Dエディタ

3Dエディタ

3Dエディタ

電磁界計算(Q-DATA)

Q-DATAは、基板および3次元図形上に設定された端子をポートとして全体のSパラメータを計算します。
例えば、基板上のアクティブ端子が1000端子で、3次元図形上に10端子ある場合、1010ポートのブラックボックスのSパラメータを計算します。

計算手法は、3次元モーメント法を用いています。この手法と境界要素原理を用いることで疎行列化を実現し、大規模問題に対応しています。また、MPIE-PEEC法を用いることで、単独でのポートの存在を可能にし、部品実装や筐体との任意接続を可能にしています。

Mixed Potential 積分方程式

Mixed Potential 積分方程式

PEECモデル

PEECモデル

Q-DATA計算時に入射波ソースを設定可能です。これによりテストベンチで電磁界解析を行うことなく高速に入射波解析が可能になります。

2Dテストベンチ

2Dテストベンチは、基板上のノイズ対策などを行う作業ベンチで、素子値変更や信号源の設定、ジャンパーの接続、LCRの追加などを行い、応答波形解析やインピーダンス解析など様々な解析を実行できます。
3次元解析の場合は、3次元ベンチのサブベンチとして3DBENCHの下に表示されます。

2Dテストベンチ画面

2Dテストベンチ画面

DCDCスイッチング動作時の各部の波形とスペクトル

DCDCスイッチング動作時の
各部の波形とスペクトル

3Dテストベンチ

3Dテストベンチは、3Dシステム的にノイズ対策などを行う作業ベンチで、複数の基板の接続や筐体とのアース接続、外部の信号線の接続、筐体へのESDノイズなどを設定し、2Dベンチと同様に応答波形解析やインピーダンス解析など様々な解析を実行できます。

2Dテストベンチ画面

3Dテストベンチ画面

基板用の2Dサブベンチ

基板用の2Dサブベンチ

電流、電圧分布

テストベンチで応答解析や伝達特性解析を行った後、その動作状態での電流分布及び電圧分布を解析することができます。電流分布は電流密度の高い部分と低い部分が明確に表示されますので、電流が集中する部分が判ります。またベクトルを表示させることで、ビアに流れ込む様子なども観測できます。電流分布は電圧分布と異なり低周波数でも変化がわかりますので、kHzオーダーのスイッチング解析などでも有効です。電圧分布はパターンや筐体の電圧の違いを表示するもので、高周波数でどのように分布しているかがわかります。

電流分布

電流分布

電流ベクトル

電流ベクトル

電圧分布

電圧分布

電界、磁界分布

電界磁界解析は、空間の任意の位置でスライスした平面上での電界および磁界分布を観るものです。
3次元解析を行い、電磁界分布を観測することで、基板だけでなくケースやワイヤなどからの放射も確認することができ、シールドケースを設けた場合の放射の差異なども確認できます。
電界磁界は電流分布から計算されますので、電流ビューワのサブ機能になります。

近傍電界分布例

近傍電界分布例

近傍磁界分布例

近傍磁界分布例

近傍/遠方界特性

放射解析は、電波暗室での測定と同じイメージです。遠方界特性はDUTから十分離れた位置における特定周波数の放射パターンを示します。近傍界特性は、DUTからR[m]の位置の特定周波数の放射パターンを表示します。また、(R,θ,φ)位置の周波数に対する電界強度特性を知ることもできます。

近傍/遠方界特性

近傍放射パターンの例

近傍放射パターンの例

(R,θ,φ)位置における電界強度

(R,θ,φ)位置における電界強度

入射波解析

入射波解析機能は、空間的に離れた位置から、RF信号を照射するものです。無線トランシーバなどの高周波発生機器を基板の近傍で動作させるイメージです。

入射波解析

ある端子の誘起電圧

ある端子の誘起電圧

入射波解析

入射波に対する散乱波を解析すると放射の大きい周波数と場所を調べることができる

散乱波レベル

散乱波レベル

S-NAP PCB Suite®Ver.5解析例

1 DCDCスイッチング電源の電源ケーブルによる特性の相違

図のスイッチング電源について、簡単な筐体と電源ケーブルおよびクランプフィルタについてシミュレーションを行ってみます。

1)DC電源を平行線路により給電し、基板内でスイッチング動作を行った場合の伝導ノイズおよび放射ノイズを調べる。
2)DC電源をツイストペア線路により給電し、基板内でスイッチング動作を行った場合の伝導ノイズおよび放射ノイズを調べる。
3)(2)のツイストペア線路にクランプフィルタを装着した場合のノイズ特性の相違を調べる。

DCDCスイッチング電源の電源ケーブルによる特性の相違

結果

各結果が示す用に、(2)からツイストペア線を電源ラインに用いるとスイッチング特性が悪化し、伝導ノイズが非常に大きくなることがわかります。(3)からクランプフィルタを挿入することで伝導ノイズは抑制され、スイッチング特性も改善されることがわかります。

(1)DC電源ラインに平行線路を用いた場合

DC電源ラインに平行線路を用いた場合

DC電源ラインに平行線路を用いた場合

DC電源ラインに平行線路を用いた場合

スイッチングIC出力

スイッチングIC出力

スイッチングIC出力

3m放射

3m放射

電源ケーブル先端の波形とスペクトル

電源ケーブル先端の波形とスペクトル

電源ケーブル先端の波形とスペクトル

(2)DC電源ラインにツイストペア線路を用いた場合

DC電源ラインにツイストペア線路を用いた場合

DC電源ラインにツイストペア線路を用いた場合

DC電源ラインにツイストペア線路を用いた場合

スイッチングIC出力

スイッチングIC出力

スイッチングIC出力

スイッチングIC出力

電源ケーブル先端の波形とスペクトル(TWIST先端)

電源ケーブル先端の波形とスペクトル(TWIST先端)

電源ケーブル先端の波形とスペクトル(TWIST先端)

3m放射

3m放射

(3)ツイストペア線にクランプフィルタを追加した場合

ツイストペア線にクランプフィルタを追加した場合

クランプフィルタ―挿入

ツイストペア線にクランプフィルタを追加した場合

近傍電界

近傍電界

スイッチングIC出力

スイッチングIC出力

スイッチングIC出力

3m放射

3m放射

電源ケーブル先端の波形とスペクトル

電源ケーブル先端の波形とスペクトル

電源ケーブル先端の波形とスペクトル

クランプフィルタの特性解析

ツイストペア線にクランプフィルタを被せた時の通過特性を確認する

クランプフィルタの特性解析

クランプフィルタの特性解析

電流分布
コモンモード励振 10MHz

通過特性(S21)

通過特性(S21)

クランプフィルタの特性解析

クランプフィルタ使用時のコモンモードレベルの相違

クランプフィルタ使用時のコモンモードレベルの相違

コモンモードレベル

コモンモードレベル

コモンモードレベル

2 コントロール基板の伝導ノイズと電界放射

図に示すようなケースに挿入されたモータ制御基板において、CPUを駆動させた場合クロック(16MHz)の高調波がノイズとなって現れる。このノイズレベルをケースあり/なしおよびトップカバーなしの状態での相違を調べてみます。

コントロール基板の伝導ノイズと電界放射

コントロール基板の伝導ノイズと電界放射

結果

ワイヤが付いた場合のワイヤ先端端でのノイズ比較の結果は、トップカバーの有り無しには殆ど関係していないことがわかります。基板のみの結果では、コネクタ端のノイズレベルは低いためワイヤがあることによりノイズレベルが上がっていることがわかります。また、近傍電界はそれぞれに違いはありますが、遠方界放射特性は3種類ともほぼ同じで、遠方におけるワイヤと筐体の寄与は殆どないことがわかります。

【CPU動作時の給電先端でのノイズレベルと3m放射電界強度】電流分布@448MHz

(1)ボトムケース、ワイヤ付き

ボトムケース、ワイヤ付き

ワイヤ先端のノイズ波形とスペクトル

ワイヤ先端の
ノイズ波形とスペクトル

遠方界特性(3m)

遠方界特性(3m)

近傍電界

近傍電界

(2)フルケース、ワイヤ付き

フルケース、ワイヤ付き

ワイヤ先端のノイズ波形とスペクトル

ワイヤ先端の
ノイズ波形とスペクトル

遠方界特性(3m)

遠方界特性(3m)

近傍電界

近傍電界

(3)基板のみ

基板のみ

コネクタ端のノイズ波形とスペクトル

コネクタ端の
ノイズ波形とスペクトル

遠方界特性(3m)

遠方界特性(3m)

近傍電界

近傍電界

3 複数基板を組み合わせた例

図は4層基板と2層基板を背中合わせに筐体に組み込んだ例です。このような状態でも解析が可能です。

複数基板を組み合わせた例

複数基板を組み合わせた例

電流分布 @500MHz

電流分布 @500MHz

電界分布 @500MHz

電界分布 @500MHz


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